参加学生インタビュー
前川さん
(ドイツ・トリア大学、期間:2024.3~2024.7)
今回お話を伺ったのは、本学から初めてドイツのトリア大学に留学された1期生の前川さんです。
Q1. なぜトリア大学に留学しようと思ったのですか?
高校生の時に北欧の大学への入学を計画していましたが、高校の事情やコロナ禍で泣く泣く断念しました。大学に入学して、授業や課外活動などで忙しい日々を送っていましたが、ふと忙しさの波が引いたタイミングで「留学するなら今しかない!」と思い立ち、国際交流センターに相談に行きました。そこで、アートマネジメントやパフォーミングアーツを学ぶならトリア大学が良いのではと勧めていただきました。
Q2. 交換留学前の手続きで大変だったことはありますか?
初めは、トリア大学の担当者から大量に届く長文のメールにとても驚きました。 公式書類は全てドイツ語と英語の両方で書かれていたので、留学前から読解力を鍛えることができました。細かいルールや規則などを丁寧に教えてくださるので、情報量は多いですが、その分安心して準備を進めることができました。もちろん分からないことばかりなので、分かるまで担当者に聞く!という姿勢が大切です。
Q3. トリア大学ではどのような授業を履修しましたか?
私は半年間滞在して4科目の授業を履修しました。日本のパフォーミングアーツ、日本文学の空間性、ドイツ語、英語の授業です。どの授業もとても興味深く楽しかったのですが、特に印象に残っているのは、日本のパフォーミングアーツの授業で「文楽」を学んだ時です。ドイツ目線で日本のパフォーミングアーツはどのように捉えられているのか興味がありました。日本人なので質問されることも多かったのですが、今まで文楽に触れたことがなかったためあまり知識がなく、芸術文化を日本で学んでいる身として自国の文化をあまり知らないことに情けなさを感じました。そこで、予習や復習を何度も繰り返しました。授業は基本的にはドイツ語だったので、初めは苦労しましたが、周りの友達にたくさん助けてもらいました。
Q4. 寮での生活はどうでしたか?
トリア大学には寮が全部で4つあり、私が滞在したのはペトリスバーグというシングルの部屋でした。日本の単身アパートと同じで、部屋にトイレとキッチンがあり、とても快適に過ごすことができました。一度だけ、数日間電気が使えないというトラブルに見舞われましたが(ドイツでは週末に誰も働かず、電気屋さんに連絡できなかったため)、パソコンや携帯から離れて、近所をのんびり散歩して良い気分転換になりました。笑
Q5. トリア大学ではどのようなサポート体制がありますか?
ドイツ人の先生が2人、交換留学生の担当として色々とサポートしてくださいました!他にもタンデムという言語パートナー制度を利用していたので、ドイツ語も留学前と比べると大幅にレベルアップしました。大学でのサポートももちろんありますが、私はドイツ人の友達にたくさん助けてもらいました。履修登録のこと、授業のこと、分からないことばかりでしたが、彼女達のおかげで本当に楽しい留学生活を送ることができました。実はそのうちの2人が今日本の大学に留学していて、今度私の公演を見に来てくれるんです!こうやって交流が続いているのがとても嬉しいです。
Q6. 留学中、苦労したことや大変だったことはありましたか?
留学して実感したのは、留学前にもっとドイツ語を勉強しておけば良かったということです。これから留学を考えている方には、ぜひ留学先の言語をしっかり習得してから出発することをお勧めします。海外に住むのはドイツが初めてでしたが、ドイツの気候、文化、食事が私には合っていたので、特に苦労はしませんでした。時々、嫌な思いをする出来事はありましたが、どこの国でもそういう人はいると割り切って受け流すように心がけていました。
Q7. 留学してよかったですか?
とにかく学びが多かったです。最初のころは、ドイツの生活マナーや文化を知らなかったので、恥ずかしい思いをすることもありましたが、「分からないのは仕方ないこと、周りの人にたくさん質問して学ぼう!」というマインドに切り替えることで乗り越えられました。また、留学中にはドイツ国内はもちろん、周辺国の様々な劇場に足を運び、ヨーロッパの劇場文化を目の当たりにしました。CATで勉強したアートマネジメントの世界を実際に見て感じたことを、卒業研究として発表する予定です。半年間の留学はとても短く感じましたが、数多くの刺激を受けて私自身大きく成長できたと思います。